赤き髪に宿る炎の光
朝露に濡れし大地を見渡す
伝説の血脈を宿す姫
王国を守る盾となりし者
赤銅色に燃える髪を風になびかせながら、エレインは古城の廃墟に佇んでいた。
彼女の白い肌は月光を受け、雪のように冷たく輝いている。
彼女の手には、古びた竜の剣が握られていた。
この剣は伝説の竜騎士によって使われたものだと言われているが、
今やその英雄は歴史の中へと消え去り、ただこの剣だけがその名残を留めていた。
遠くから聞こえる森のささやきが、彼女の心に深く染み入る。
それは、かつて竜と共に戦った男からの囁きのようにも感じられた。
彼は彼女に「永遠に待つ」と言ったが、それは果たして愛の言葉だったのか、それとも責めであったのか。
夜空に浮かぶ星々は、まるで竜の鱗のように瞬いていた。
そして埃となった竜の魂が、風に乗ってエレインに語りかける。
「汝は選ばれし者。我が力を継ぎ、新たな道を行け」。
エレインは剣を高く掲げ、決意した。
彼女は過去の英雄に縛られることなく、自らの意志で未来を切り開くことを誓う。
赤い髪が風に舞い上がり、それは炎のように夜を照らしていた。
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