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深い森の奥には
何かが宿る
星々さえも
静かに見守る
夜の彼方
妖精と光る草花たちが
語り合う秘密
儀式の夜の
月明かりに
揺れる物語
***
深い森の奥深く、
静かな光が揺らめいていた。
まるで星々が地に降り、
草花たちとささやき合うように。
ある闇夜、小さな冒険者ルイは、
その光をひと目にしてしまった。
黒雲が月を隠す中、
ふわりと浮かぶ淡い影があった。
恐る恐る近づくと、
十数センチほどの小さい妖精が座っていた。
彼女の肌は新芽のように柔らかく、
髪には虹色の羽根がそっと飾られ
かすかな光粒を纏っている。
しかし、その瞳は空を見ているのではなかった。
もっと遠く、遥かな世界を見つめていた。
「きみは……?」
思わず漏れた声に、
少女がふっと振り返った。
「あぁ、見えちゃったのね。でも大丈夫よ。わたしエメラ。」
微笑み、エメラと名乗った彼女は、
「生命の光を紡ぐ妖精よ」と語った。
「今夜は特別な儀式。月の力を集めて、新しい種を蒔くの」
ルイは目を輝かせた。
「ぼくも手伝っていい?」
エメラは驚きながらも微笑み、
「うん。じゃあ、ちょっとだけ魔法をかけるね」
指先を動かした。
瞬間、ルイの体が光に包まれ、
小さくなり、背中に透明な羽が生えた。
「わあっ、飛べる!」
ルイが感動していると、エメラが手を差し伸べた。
「さあ、一緒に行きましょう」
二人は夜の森を舞い、
月光を集めて種を蒔いた。
光の粒が花々に降り注ぐたび、
森は淡く輝き、新たな命が芽吹く。
夜風に乗って飛び回り、
やがて夜明けが近づくころ、
エメラはルイに小さな種を手渡した。
「今夜はありがとう。これ、大切に育ててね。私たちの友情の証だから」
数年後、その種は巨大な木となり、
町中に幻想的な花を咲かせた。
人々はそれを「月の樹」と呼び、
その美しさを愛し続けた。
そして今も、ルイの心の中には、
あの月夜の森で出会った、
小さな妖精エメラの笑顔が輝いている。
Mystique in Shadowは、オリジナル作品コレクションの一つで、
「幻想の闇の中のMystique(神秘的)な創造物たち」をイメージしています。
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