画題:
蒼き記憶の花姫 / Azure Bloom of Remembered Tides
キャラクタープロフィール:
名はエリシア・マリセル。通称は「潮光エリシア」。
エリシアは生まれつき瞳の無い目を持つが、その目は磨かれた水晶のように美しいライトブルーで、見る者を静かに吸い込む。
その水晶眼は、遥か千里の地や深海の底までも見通す千里眼として知られ、世界の流れる記憶を映し取る鏡となっている。
種族は、海霧から生まれた半精霊「マーレルーン」。
彼らは潮の満ち引きと共に記憶を運ぶ民で、忘れられた想いを花に変える術を持つ。
エリシアの千里眼はマーレルーンの中でも特異であり、過去と現在を同時に映すため、彼女はしばしば遠い誰かの記憶に涙を零す。
エリシアが育ったのは、紺碧の水に浮かぶ都市「リュミエール・トゥルク」。
水上に立つ塔を渡り歩いて暮らすこの都市は、海底神殿群セルリアン・ホロウへ通じる門を守る要衝である。
彼女は門の守護巫女であり、「記憶咲かせ」の役目を与えられ、千里眼で世界中の忘却された祈りを探し当てては花へと変える。
人々はその慧眼に敬意と畏れを抱き、「潮歌エリシア」と「水鏡エリシア」の名で呼ぶ。
胸元と肩を飾る花々は、忘れられた願いが海底で結晶化した「リメンブルーム」。
一本一本が誰かの祈りの形であり、彼女が手に取る青い一輪は、千里眼によって見出された、まだ行き場を得ていない秘密の記憶だ。
指先は繊細でありながら、深海の水圧にも耐える霊的な強さを帯び、触れた花の記憶を優しく解きほぐす。
衣の蒼と背後のエメラルドの光は、深海と海面、そして視えない世界と視えてしまう世界の境界線を象徴している。
この世界には、記憶を喰らう古の竜「虚潮竜ヴォイドマーレ」が眠る。
ヴォイドマーレは心の痛みや後悔だけを選んで呑み込み、世界から歴史を削り取ろうとしているが、エリシアの千里眼は竜の進む潮路さえも読み取ることができる。
海の底に鎮まる大いなる水神ナイアラスは、その歪んだ循環を止めるため、すべてを視る水晶眼を持つ器を探し続けてきた。
やがてナイアラスは、静かに花を撫でるエリシアを見出し、「蒼潮エリシア」として選定し、その視線に未来の波を映す。
しかしエリシア自身はまだ、自分が英雄となる未来を知らない。
彼女はただ、目に映り込む無数の景色と声を抱え込みながら、指先に触れた一輪の花から響く名もなき声を胸にしまっている。
水晶のような眼差しは空虚ではなく、数え切れない記憶の光で満たされ、その奥底に深海のような静謐な意志を隠している。
やがて潮が大きく反転する時、彼女は「記潮エリシア」として、世界の忘却と救済の境界線に立ち、千里眼で新たな航路を見出すことになる。
物語的絵画詩:
群青の海霧が 頬を撫でて
水晶の目が 遠潮を映す
瞳なき光の 深みに揺れて
一輪の記憶が 蒼く息づく
まだ誰も知らない 失せた物語が
胸元の花弁で そっと目を覚まし
千里の波路さえ 見通す眼差しは
波音の間から 声を聴いている
忘れられた願いを ひとつ拾い上げ
彼女はただ静かに 潮へ返すだけ
その水晶の奥で 運命が軋み
英雄譚の潮騒が 今始まりだす
制作イメージ:
「水晶の千里眼を持つ盲いの花姫が、世界中の忘れられた想いを青い光としてすくい上げる瞬間を描くイメージ。」
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