名前:エリザヴェータ・ヴェルム・アルテア(Elizaveta Verm Althea)
年齢:外見上19歳(実年齢は300年を超える)
種族:古き血の吸血鬼公爵(純血の最後の生き残り)
立場:滅びた帝国「ヴェルム・ノワール」の亡魂女王。表向きは人間社会に溶け込み、美術館の夜間管理人を務めている。
特徴:蒼白すぎる肌、黄金に近い薄い瞳、決して笑わない唇。感情を殺したような静けさを湛えながら、内に秘めた激情は一国を焼き尽くすほど。玉座に座るこの肖像は、彼女がまだ人間だった頃、最愛の画家に描かせた最後の生前肖像である。
深緋の玉座に座す者 深緋の玉座は血の記憶を宿し
絹の肘掛けに指が触れるたび
亡国が疼く 白磁の喉に銀の髪が落ち
レースの影が鎖骨を縛る
微笑みを知らぬ唇は
永遠を呪う呪文を紡ぐ 瞳は凍てつく黄金
見つめられた者は自ら心臓を差し出す
それでも彼女は首を振る
――もう、温もりなど要らないと 玉座の背後に広がる闇は
かつては宮殿、今はただの美術館
夜の10時を過ぎれば
彼女だけが息をする 誰かが囁く
「女王はまだ生きている」
答えはない
ただ、肖像の瞳が
かすかに、かすかに
涙のように光る
「300年の孤独を一滴の涙も流さず耐える、静かな傲慢」